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高安秀樹『経済物理学の発見』(光文社文庫)2012-05
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    JUGEMテーマ:読書

     よく経済学者の景気や株価の予測は当たらないと言われる。理系出身の私としても、どうしてこんなに現実のデータを無視して理論上の理想化されたモデルで議論を展開するのだろう、よしんば過去のデータを解析するにしても、未来は過去の延長上にあるとした推測があまりに横行しているのはどうしてか、などと不思議に思っていた。
     20代後半、ファンドマネジャをやっていたが、当時はシステムファンドの駆け出しの頃で、ファンド設計を手伝ったことがある。大手の投信会社でのことだが、真面目に過去の株式データをもとに金利、為替、、、、などのパラメータをほうりこんで、いろいろなタイムラグも加味しつつ近似される数式をもとに将来株価予測を行なっていた。そのほとんどが株価暴落の際には役に立たなかったのである。
     この経済物理学(エコノフィジックス)という新たな学際分野は、高々15年程度の歴史しかない。コンピュータ処理能力の飛躍的な発達によって、膨大な金融データを処理できるようになったことから、まさにファンドマネージングのニーズから発展してきたものだ。この徹底した物理学の手法(主にカオスとフラクタル理論)を駆使した「現実を直視」した学問は、従来の経済学では考えられない事実を突きつけてくれる。
     たとえば、’簀禺莪にはカオスが内在しており、需給が釣り合って価格が安定することはない、∋埔豌然覆魯屮薀奪=ショールズ理論(90年代にもてはやされた)が仮定する正規分布よりはるかに大きな変動を持つベキ分布に従う、最もスマートな市場である外為市場でも5%程度の裁定機会が毎日発生している(ボロ儲けできる)、などなど。200年間続いたアダム=スミスの呪縛を解き放つ事実が並び、80年代の大学の経済学しか知らない多くの学者やエコノミストも驚愕せざるを得ない結果が並んでいる。
     最後には、経済物理学の観点から応用した論点として、3つの重要な示唆がなされている。〜蠡垣撚革で痛みを伴わない財政改革、年金改革が可能である、外為市場が自由である下でのインフレ誘導政策は円を暴落させる、D眠澆魎浜する国際横断的な組織と通貨バスケットが必要である、の3点だ。いずれも現在重要な政策課題ばかりであるが、政治家はおろか官庁エコノミストが考慮している風もない。「昭和16年夏の敗戦」の轍を踏まなければよいのだが。。。
     
    posted by: kuro | Tの書斎 | 07:04 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
    猪瀬直樹『昭和16年夏の敗戦 』(中公文庫)2012-04
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      JUGEMテーマ:読書
       昨年末に政治のシンポジウムを開催した時に、ゲストとしてお招きした石破茂氏が、是非読むべきだと薦めてくださったのがこの本である。昭和16年に若手の優秀な官僚などを集めて総力戦の研究をさせ、日本が負けるとの知見を得たにもかかわらず、戦争へと突入していったのはなぜか?その答えは本書には書いておらず、読者に考えさせる問題提起の一冊であると言える。
       日本人は兎角、客観的なデータに基づく結論を、根拠のない精神論に依拠して過小評価し、いつまでも神風が吹くのをひたすら祈る世界観がある。そして完膚なきまでに叩きのめされ、一時反省し、覚醒するが、再び同じ思考パタンに陥ってしまう。
       現在の膨大な国の借金がハイパーインフレを起こす可能性は潜在的に 高まっていることは、経済学者の誰もが指摘しているが、それでも「なんとかなる」、少子高齢化が進み国の成長が期待できないことも自明なのであるが、それでも「なんとかなる」、原発が稼動ゼロとなり電力需給が逼迫しても節電を本気になってやれば「なんとかなる」、、、やはり同じ思考パタンに陥ってはいまいか?否、当時の方が戦略的な対策を練るために首相官邸直下にそうしたシミュレーションを行なう組織を設立しえただけ、政治的には優れていたといえる。現在の政治は、先ほどの3つの課題に関して国民の信頼に足るシミュレーションすら示していないのだから。これだけコンピュータの発達した現代においてすらである。



      posted by: kuro | Tの書斎 | 23:06 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
      屋山太郎『日本人としてこれだけは学んでおきたい政治の授業』(PHP)2012-03
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        JUGEMテーマ:読書
         11月27日の塾員会総会(兼野田首相誕生祝賀)にて、政経研究所長からいただいた本書を読了した。本書は、第31期生、第32期生向けに行なわれた政経塾での講義録である。

         屋山氏の考えは、ほぼ私の思想信条に近い。

        ・歴史、伝統、文化を大切にする
        ・国内保護政策よりグローバル化の荒波を積極的に受け入れる
        ・日本人としての国籍を重視
        ・政党要件の明確化
        ・脱官僚政治&公務員制度改革
        ・原子力技術の必要性

        これらはすべてに同意するのであるが、難しいのはこれらをインテグレートした政策が果たして可能であるのか、国民の多数に受け入れられるだけの説得力をもつのかである(それが現在の私のメインテーマであるが。。。)

        一方、私自身がストンと腑に落ちないのは2大政党制である。政権交代を可能にするためという大義名分は理解できるのであるが、既にそれがなしえた今、次は本当に日本社会の主要な価値観を反映した政党のありかたを模索すべきフェーズに移行すべきなのではないか。多様な価値観を受け入れ、二項対立より混沌としたあいまいさの中にバランスを保つ日本社会においては、政党は3〜5くらいに分かれるのが自然ではないかと思うのである。その分解軸が提示され、安定した複数政党が出現するまで、あと10年はかかるのかと思う。そのために、少しでも貢献ができればというのが率直な気持ちである。
         
        posted by: kuro | Tの書斎 | 07:13 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |
        古市憲寿『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)2012-02
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          JUGEMテーマ:読書
           最高裁から出向しているU氏に薦められたのがこの本。著者は20代の若手社会学者。20代の75%は幸福で、過去40年で最高であるというデータは、驚きでありキャッチーであるが、自分が教えている学生の様子を見ると、さもありなんと納得できる。だから、巷間、「若者に負担のしわ寄せが。。。」などの論に対し、怒りのデモが起こらないのであろう。
           それにしてもこの本、内容もさることながら、ツイッターのような軽いのりの脚注が面白い。学者の本の脚注というと、引用する論文やデータの出典が無機質に並んでいることが多いのだが、この本では著者の妹とその彼氏との携帯の利用法までも書かれているのだ。さらに、本文中でも登場人物の年齢と出身地をいちいち記すことにより、有名性を捨象して等身大化し、その上でバッサバッサと切り倒して(こきおろして)いく。特に年寄りと保守派論客には容赦がない(w)。
           中身で面白かったところを列挙すると

          ・若者には、非日常を求める「ムラムラ」と日常の承認を求める「村々」が同居している。
          ・若者にとって、現在の承認問題(さびしさ)が未来の経済的問題(まずしさ)より深刻である。
          ・デモは、当初目的性をもっていても、すぐに共同性(居場所)が上回り、その目的が希薄化してしまう。
          ・若者は、「自分」と「自分のまわり」の幸せと関心=コンサマトリー(自己充足的)である

           最後の、若者がコンサマトリー(自己充足的)であることを考察してみると、情報化社会ゆえのヴァーチャルを知りすぎてリアルを知らない若者が、リアルを求める本源的欲求の現われなのではないかと思う。そこには、歴史と世界とのつながりをアプリオリなものとする教育が欠如しているための孤立性があるのではないか。
           さらに、幸福の条件を人間関係と経済の2点に絞りすぎているきらいがある。著者自身が実社会に出きっていないポジションにおり、異質なコミュニティの中で生きる経験が不足しているため、想像力に限界があるのではないかとも思う。年齢とともに健康や仕事、地域(自然・風土)などにも幸福を見出せるようになるのであり、そういう若者も少なからずいると思うが。
           個人として、ドキッとする記述があった。梅沢忠夫『わたしの生きがい論 人生に目的があるか』(講談社、発行は1985年)からの引用で、1960年の学生の悩みとして紹介されていた一文「就職した途端に、自分の退職金の額までが、かなりの確度で予想できる」である。まさに1987年にそれがいやで研究室の教授の紹介の有名メーカーを蹴り飛ばし、当時無名のリクルート社に就職したのであった。やはり自分も当時の典型的な若者であったのであろう。

           たまたま、著者が少子高齢化を取り上げたテレビの討論番組に出演していたが、やはり歴戦の兵の前ではういういしい若者としか映らなかった。やはりテレビ(ある意味リアル)と本(ヴァーチャル)では勝手が違うのか。
          posted by: kuro | Tの書斎 | 23:02 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
          レッカ社『フェイスブックが2時間でマスターできる本』2012-01
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            JUGEMテーマ:読書
             今年の1冊目の読了本は、今年から始めた(今頃!)フェイスブックのノウハウ本でした。2時間では読めませんでしたが、すらすら読めました。昔は、新しいITサービスが始まると我先にといじっていましたが、最近は歳のせいか自重しがちでありました。
             ところが、昨年秋、R社同期の友人たちと久々に飲むことになった時、皆FBユーザーでFBを通じて情報のやり取りをしていたことに衝撃を受けました。そこで、いまさらという感じですが、年初にIDをとった次第です。
             実際にはこの10日頃から触り始め、まだ友人は80人を超えた程度。やはりR社関係の方が自然と多くなってきました(逆に政治関係はすくない)。FBのほうもよろしくお願いします。
             facebook(フェイスブック)が2時間でマスターできる本 (PHP文庫)
            posted by: kuro | Tの書斎 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
            石破茂『国防』
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              JUGEMテーマ:読書
               現在私の政策研究の場である経団連・21世紀政策研究所の主催で、12月14日に経団連会員企業代表者向けのシンポジウムを行った。この時のパネリストとして、民主党の仙谷由人・政調会長代行と自民党の石破茂・安全保障調査会会長(前政調会長)をお招きしたが、石破事務所より是非読むようにと勧められたのが本書である。
               おりしも、12月7日に石破先生が「さわらび会」という勉強会を立ち上げたばかりで、来年の総裁選を目指す動きかと耳目を集める中であったので、シンポの準備でバタバタする中読み始めた次第である。
               本書は2004年末に書かれたもので、小泉政権下の防衛大臣を辞めた後に、防衛大臣時代の話を中心にわかりやすくまとめられている。石破先生がいかに在任中、大臣としての職務に没頭していたのか、その勉強家ぶりと謙虚な姿勢に敬服した。シンポジウムでも、「10分で大臣就任後にやろうとしていることをまとめて言えないような人間は、大臣にすべきでない」と言っていたが、それをいえるだけの努力をこの人はしている。また、防衛大臣という大臣職は、他の大臣と異なる知識と経験、それに胆力が必要だと思った。にも拘わらず、6年で9人も大臣が変わるとは何事であろうか?
               農水大臣時代にも、構造改革に踏み込んだ石破先生の、今後の活躍に是非とも期待したい。
              posted by: kuro | Tの書斎 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
              野田佳彦『民主の敵』
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                JUGEMテーマ:読書
                 8月29日の民主党代表選挙で政経塾1期生の野田佳彦先輩が代表に選出され、すぐにこの本を求め、本日読了した。通勤の電車内で折を見て読んできたので、実際は非常に読みやすく、野田先輩の思うところを率直にまとめられた本なのだが、読了まで大分日数がかかってしまった。
                 特に印象深いのは、政経塾の選考の際の松下幸之助塾主とのやり取りと、県会議員初当選以来の駅頭演説を中心とする政治活動の様子である。ひたむきに活動されてきた様子が伝わり、実直なお人柄を証明しているとも言える。
                 一方で、政権交代を政治課題の第一義に置かれている点や、二世批判などはやや違和感を感じ、また官僚批判については、現在かなり考え方が異なっているのではと思わせる記述もある(本書は野田先輩が野党時代の2009年7月に上梓したものであるが)。
                 また、2004年北京での中国の唐カセン国務委員とのやりとりは、その場(釣魚台)に私もいたので鮮明に当時の記憶が蘇ってきた。ちなみにこのときに通訳をした韓志強氏は、私が塾生時代に政経塾に出向されていたのでよく存じ上げていたが、今回の野田内閣誕生を機に、在日本中国大使館の公使として日本に赴任されている。この中国外交の戦略性は学ぶべきものがある。
                 ともあれ、野田総理の唯一の著書であるこの本は、政治に関心の向きは必読の書である。 
                 
                posted by: kuro | Tの書斎 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                政経研究所国策研究会『私たちはどのような国をめざすのか』
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                  JUGEMテーマ:読書

                   9月8日の産経朝刊1面に「どじょう宰相・野田佳彦の実像」と題したコラムが掲載され、そこにこの本が紹介された。国策研究会の座長としてこの本を取りまとめたのが野田首相だったからだ。特にこの頃(平成18年春に研究会立ち上げ)の野田氏は、偽メール事件の責任をとり国対委員長を辞任した直後で、改めて確固たる国家理念を打ちたてようともがいていたのだ。従って、この本の内容や表現も、野田氏個人の思想信条がストレートに表現されている。特に彼が担当した第1章は、東京裁判史観を真っ向から否定し、保守政治家そのものであった。産経は、首相になって変容したと批判していたが、私はそうは思っていない。逆に、一国の首相の立場に立ちながら、現実の問題を省みずに突っ走るほうが国を危うくすると思うのだ。
                   さて、この本は平成21年3月に約千部発行された非買品である。政経塾に聞いたところ、この記事以降問合せが殺到したが、既に在庫がないらしい。私の手元にあるこの本も、マスコミの知人から貸し出しの依頼を受けた。しかし、東京裁判の解釈や神話以来の日本の歴史観が中心で、一般の方が読んで面白い代物ではない。野田氏の思想信条の根っこの証明としての価値として評価すべきであろう。
                  posted by: kuro | Tの書斎 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                  内田樹『日本辺境論』
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                    JUGEMテーマ:読書
                     ものすごいペースで執筆を続ける著者の本を初めて読んだ。著者の発想はとてもユニークで面白く、思考も論理的で鋭いものがある。高校生の時に感動してはまった岸田秀の趣がある。
                     この『日本辺境論』という題目が、持論の「環都論」を想起させ、思わず手にとったのが読み始めたきっかけだ。この本の主題を一言で言えば、日本人は辺境人であり、世界標準の制定力はなく、外部に世界標準を求めて常にきょろきょろしている」ということである。一見、情けない話に聞こえるが、この民族性こそが日本人の特長であり、日本の発展の礎なのだと納得する。日本人のこの思考パタンの根っこを規定している日本語のもつ特異性(表意文字と表音文字の併用)についての考察も面白かった。日本語は脳の2か所の部位を使うユニークな言語であることが実証されているというのは興味深い。辺境人の学びについての武士道や張良の逸話も納得がいく。
                     読みながら、TPP問題を考える上でのヒントになると思いつつ、娘の大学入試の現代文の問題に取り上げられそうだなあと思ってしまうのは親バカか。
                    posted by: kuro | Tの書斎 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
                    寺島実郎『世界を知る力〜日本創生論』
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                      JUGEMテーマ:読書
                        三井物産戦略研究所の後輩より本書を送付しただき、本日読了した。書評を求められていたので、分を弁えずに率直な感想を送らせてもらった。
                       著者の寺島実郎氏の講演は、半年に1度の頻度で、月刊BOSSを発行している経営塾さんのフォーラムでうかがわせていただいており、この5月にもお話を拝聴したところであった。
                       そのとき話された今回の地震についてと歴史認識の重要性および親鸞の話は、この本の第1&2章に書かれていた。第3章は関東大震災とのアナロジーについて。短命政権が続いていたことや、財政赤字、経済の混乱が当時と似ていたことから、21世紀研究所の政治プロジェクトでも議論をしたところである。第4章の復興構想について、財源案としての無利子国債の提案には賛意を表したい。一方、副首都機能を那須へというのはどうであろうか?日本列島全体が地震の巣である以上、防衛上の面からも適度に分散させるしか手がないのではないかと考える(参考:環都論)。第5章のエネルギー問題についても、寺島氏の現実的な意見に賛成する。唯一の被爆国として、核をとことん平和利用していくための技術を高めていくことが、日本の世界に対する貢献につながると思う。一部の硬直化した体制は正すべきだが、営々と築いてきた原子力技術を雲散霧消させるべきではない。
                       それにつけても、親鸞の絶対他力の意味するところが、浅学な私にははっきりとはわからない。この震災とこの本でなんとなくは感じるのであるが。。。機会を見て学んでみたいと思います。
                      posted by: kuro | Tの書斎 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |